「そろそろホームページを作ろう」と思い立って制作会社のサイトを開いたものの、問い合わせフォームの前で手が止まってしまう。ご相談内容の欄に何を書けばいいのか分からず、そのままブラウザを閉じてしまった。そんな経験をお持ちの方は少なくありません。
先にお伝えしておくと、完璧な要件を用意してから相談する必要はありません。決まっていないことを一緒に決めていくのも制作会社の仕事です。ただし、自分にしか答えられないことがいくつかあります。そこが空白のまま進むと、打ち合わせは「あとはお任せで」に流れ、出来上がったサイトを見てから「思っていたのと違う」となりやすいのです。
この記事では、問い合わせの前に手元でメモしておきたい7つの項目を順番に整理します。すべて埋める必要はありません。「ここは決まっている、ここは相談したい」の線が引ければ十分です。
事前に決めておくと、打ち合わせが「相談」に変わる
準備なしで打ち合わせに臨むと、話題はどうしても金額と納期に集中します。判断できる材料がそこしかないためです。
一方、目的と載せたい情報がある程度決まっていると、話は「その目的なら、この構成のほうが向いています」という中身の相談に変わります。同じ時間を使っても、持ち帰れるものがまったく違ってきます。
さらに、複数の会社に相談する場合は条件がそろっていることが重要です。伝えた前提がバラバラだと、返ってくる見積書も比べようがありません。この点は制作会社の選び方でも触れていますが、比較の精度は依頼する側の準備で決まる部分がかなりあります。
誰に何を伝えるサイトなのかを決める
最初の2つは、ほかのすべての判断の土台になる項目です。
1. 何が起きたら成功と言えるか
「ホームページがほしい」の一段下に、必ず本当の目的があります。問い合わせを増やしたいのか、電話で毎回同じ説明をする手間を減らしたいのか、求人に応募してくる人に会社の雰囲気を伝えたいのか。あるいは、取引先から「会社のサイトはありますか」と聞かれたときに答えられるようにしたいのか。
どれも正当な目的ですが、目的が違えばサイトの形も変わります。求人が目的なら働く人の写真が要りますし、説明の手間を減らすのが目的ならよくある質問のページが効きます。「公開から半年後、何が起きていれば作ってよかったと言えるか」を一文で書いてみてください。
2. 誰に読んでほしいか
次に、その目的の相手を具体的にします。すでに自社を知っている人なのか、まだ知らない人なのか。同業者なのか、はじめて業界に触れる一般の方なのか。
読者が変われば、書くべき文章の丁寧さも、専門用語を使ってよいかどうかも変わります。「全員に読んでほしい」と設定すると、結果として誰の心にも残らない文章になりがちです。ひとりの顔を思い浮かべられると、原稿づくりが一気に楽になります。
何を載せるサイトなのかを決める
土台が決まったら、中身の話に進みます。
3. どのページが必要か
ページ数はそのまま費用に跳ね返る項目です。とはいえ、はじめから正確に決める必要はありません。「絶対に要るページ」と「あれば嬉しいページ」を分けてメモしておくだけで、優先順位の相談がしやすくなります。
迷ったときは、少ないほうから考えるのがおすすめです。店舗をお持ちの方は個人商店のホームページに本当に必要なページ構成も参考になるはずです。ページは後から足せますが、使われないページを最初に作ってしまうと、その分の費用は戻ってきません。
4. 文章と写真を誰が用意するか
見落とされやすいのがこの項目です。ホームページに載る文章と写真は、勝手に湧いてくるものではありません。
自社で用意すれば費用は抑えられますが、時間と手間がかかります。制作会社に依頼すれば手間は減りますが、そのぶん費用が乗ります。どちらが正しいということはなく、社内に書ける人・撮れる人がいるかどうかで決まります。
- 会社案内やチラシなど、流用できる文章がすでにあるか
- 商品や店内の写真は、スマートフォンで撮ったものしかないか
- ロゴのデータ(印刷にも使える形式のもの)が手元にあるか
この3点を確認しておくと、最初の打ち合わせでかなり具体的な話ができます。
書ける人も撮れる人も社内にいない、という場合でも、そこで止まる必要はありません。Clematisでは文章の執筆と写真の撮影のどちらも承っています(いずれも制作費とは別のお見積りです)。「この部分は自社で書く、ここから先は任せる」と分ける形でも構いませんので、打ち合わせのときに手元の状況をそのまま伝えてください。
いつ、いくらで作るのかを決める
5. いつ公開したいか、その理由は何か
「なるべく早く」だけでは、進行の判断ができません。大切なのは日付そのものより、その日付の理由です。
展示会に間に合わせたい、新店舗のオープンに合わせたい、期末の予算で処理したい。理由が分かれば、間に合わない場合に「先に必要なページだけ公開して、残りは後から足す」といった代案を出せます。理由のない締切だけが伝わると、そうした調整ができません。
なお、制作が止まりやすいのは、実装よりも原稿と写真がそろうまでの待ち時間です。ここは制作会社が代わりに進められない部分なので、スケジュールを考えるときは自社側の作業時間として見込んでおいてください。
6. 予算をどう考えるか
正確な金額を先に決める必要はありませんが、上限の目安は持っておいたほうがよいです。目安がないと、提案されたものが高いのか安いのかを判断できません。
金額を考えるときは、初期費用だけでなく公開後に毎月かかる費用も合わせて見ます。この構造についてはホームページ制作の費用相場で詳しく整理しています。Clematisの場合は制作が初期費用10万円〜、公開後の運用・保守が月額1万円〜で、含まれる作業の範囲は料金ページに記載しています。
「いくらまでなら出せるか」を伝えることに抵抗を感じる方もいますが、これは足元を見られる情報ではなく、提案の精度を上げるための情報です。予算が分かれば、その範囲でできることを組み立てられます。
公開した後、誰が更新するのかを決める
7つ目は、公開後の話です。作る前に決めておくと、サイトの作り方そのものが変わります。
営業時間の変更やお知らせの追加を自分で行いたいのであれば、自分で書き換えられる仕組みが必要になります。一方、更新が年に数回で、そのつど依頼するほうが気楽であれば、その仕組みは要りません。使わない仕組みを入れると、費用だけがかかって誰も触らない状態になります。
社内で更新する場合は「誰が担当するか」まで決めておくのが安全です。担当者が決まっていないサイトは、数か月で情報が古くなります。公開後にやるべきことはホームページを公開した後にやることにまとめていますので、更新体制を考えるときに一緒にご覧ください。
私たちがどこまでを担当できるかはサービス内容のページに記載しています。どこまで自社でやり、どこから任せたいのか。この線引きを先に相談しておくと、公開後の食い違いが起きにくくなります。
目安として、Clematisの月額に含まれるのは文言の修正と画像の差し替えで、回数の制限は設けていません。ページそのものを追加する場合は、作業量に応じて別途お見積りになります。依頼して更新してもらう形を選ぶときは、どこまでが月額の中で、どこからが追加費用になるのかを会社ごとに確認しておくと、後で困りません。
まとめ:決まっていないことは、決まっていないと伝えてよい
ここまで7つの項目を挙げてきましたが、すべてに答えを持って問い合わせる必要はありません。
- 何が起きたら成功か
- 誰に読んでほしいか
- どのページが必要か
- 文章と写真を誰が用意するか
- いつ公開したいか、その理由は何か
- 予算の上限はどのあたりか
- 公開後、誰が更新するか
大切なのは、決まっている項目と、まだ決まっていない項目を分けておくことです。「目的ははっきりしているが、必要なページは相談したい」と伝えられれば、打ち合わせはその一点に集中できます。
そして、決まっていないことを相談したときに、選択肢とそれぞれの理由を並べて説明してくれるかどうか。これは相手を見極めるうえで、提示された金額と同じくらい大切な材料になります。
