「ホームページを作るなら、ページは多いほうがいいのだろうか」。飲食店や美容室、小売店のオーナーの方から、よくいただくご質問です。
見積書に「10ページ」「20ページ」と並んでいるのを見ると、少ないほうを選ぶのが不安になります。他店のサイトを見ると、スタッフ紹介もブログもこだわりのページもあって、自分の店だけ内容が薄いように感じてしまう。その気持ちはよく分かります。
ただ、お客様がお店のホームページを開くとき、たいてい知りたいことは1つか2つに絞られています。ページを増やすことと、来店が増えることは別の話です。この記事では、来店につながる情報の優先順位という視点で、個人商店のサイトに必要な構成を整理します。
ページ数を増やしても、迷わせるだけになることがある
お客様がお店のサイトを開く場面を思い浮かべてみてください。多くの場合、その人はすでにお店の存在を知っています。誰かに聞いた、地図アプリで見つけた、看板を見かけた。そのうえで「ここは自分に合う店だろうか」「今日は開いているだろうか」を確かめに来ています。
つまり、ゼロから興味を持ってもらう場ではなく、行くかどうかを決める最後の一押しの場です。この場面で必要なのは情報の量ではなく、探している情報にすぐたどり着けることです。
ページが多いサイトは、目次から目的の情報を探す手間が増えます。ページを増やすかどうかは「載せたいことがあるか」ではなく、「そのページがないとお客様が困るか」で判断してください。ページ数は費用にも直結します。この関係はホームページ制作の費用相場でも整理しています。
最低限そろえたい3つのページ
まず用意すべきは、次の3つです。規模の小さいお店であれば、この3つを1ページにまとめてしまう構成も十分に成立します。
トップページ
どんなお店で、どこにあり、何ができるのか。画面を開いて数秒で伝わることが役割です。凝ったキャッチコピーより、お店の外観や店内の写真が1枚あるほうが速く伝わります。
そして画面の見えている範囲に、電話番号と営業時間、地図への入口を置いてください。この3つを探して下にスクロールさせている時点で、機会を1つ失っています。
メニュー・商品・サービスのページ
何を、いくらで提供しているか。飲食店ならメニューと価格、美容室なら施術内容と料金、小売店なら取り扱っている商品の種類です。
全品を網羅する必要はありません。代表的なものと価格帯が分かれば、来店の判断はできます。全品を載せると、価格が変わるたびに更新する負担が続きます。
店舗情報・アクセスのページ
お客様がいちばん多く開くページであり、抜けがあるとそれだけで来店の機会を逃すページです。最低限、次の項目を書いてください。
- 住所 — 建物名と階数まで。地図アプリで検索できる表記にします
- 電話番号 — スマートフォンでタップすると発信できる形にします
- 営業時間 — ランチとディナーで分かれる場合は、その区切りも
- 定休日 — 「不定休」で終わらせず、確認方法まで書きます
- アクセス — 最寄り駅からの経路と徒歩の目安、駐車場の有無
- 支払い方法 — 現金のみなのか、カードやQRコード決済が使えるのか
特に定休日と駐車場は、書かれていないことで来店をやめる理由になりやすい項目です。「不定休」とだけ書かれていると、お客様は電話で確認するか、別の店を選ぶかの二択になります。SNSで告知しているなら、その場所への入口をここに置いてください。
営業時間を臨時で変更したときに、その情報がどこにも反映されないのがいちばん困る状態です。誰がどうやって更新するかは、サイトを作る前に決めておくべき項目のひとつです。この点はホームページ制作を依頼する前に決めておきたい7つのことでも触れています。
見られ方はスマートフォンで決まる
お店を探しているお客様は、ほぼ手元の画面で見ています。移動中や店の前で開いていることも珍しくありません。パソコンの画面できれいに見えることより、小さな画面で片手で操作できることを優先してください。
確認したいのは次の3点です。
- 文字が指で拡大しなくても読めるか
- 電話番号をタップすると発信画面が開くか
- 地図が指で動かせて、経路案内につながるか
作っている最中はパソコンで確認しがちですが、公開前に必ず自分のスマートフォンで開いてみてください。実際に外を歩きながら開くと、気づくことが多くあります。
写真は、文章より先に見られる
文章を読み込む前に、まず目に入るのが写真です。外観、店内、商品。この3種類がそろっていると、お客様は行った後の様子を想像できます。
高価な機材は必要ありませんが、明るさだけは意識してください。窓からの自然光が入る時間帯に撮るだけで、印象は大きく変わります。暗い写真は、それだけでお店の印象まで暗くしてしまいます。撮影を依頼するかどうかも含め、対応できる範囲はサービス内容のページにまとめています。
自分で撮るのが難しければ、撮影をお任せいただくこともできます(制作費とは別のお見積りです)。まずは手元にある写真を見せていただいて、撮り直したほうがよいものだけを相談する、という進め方でも構いません。
Googleビジネスプロフィールとの役割分担
「地図に情報が出るなら、ホームページは要らないのでは」と考える方もいます。役割が違うので、両方あるのが望ましい形です。
Googleビジネスプロフィールは、地図やお店の名前で検索したときに表示される情報欄です。営業時間、電話番号、写真、口コミが載ります。探している人に見つけてもらう入口として機能します。
一方、ホームページは自分で内容を決められる場所です。メニューの詳しい説明、こだわり、来店前に伝えておきたい注意点。文字数の制限も表示形式の制約もありません。見つけた人に、行くかどうかを決めてもらう場です。
この2つで気をつけたいのは、営業時間や定休日をどちらか片方だけ更新してしまうことです。書かれている内容が食い違うと、お客様は混乱し、お店への信頼も下がります。変更があったときに両方を直す、と決めておいてください。
なお、Googleビジネスプロフィールは、最初の登録も、その後の営業時間や写真の更新も、Clematisで代わりに行うことができます。ホームページと合わせてお任せいただければ、片方だけ直し忘れるということも起きにくくなります。
後から足しても遅くないページ
次のようなページは、最初から作らなくても構いません。サイトを公開して、反応を見てから判断できます。
- スタッフ紹介 — 人で選ばれる業種(美容室、施術系など)では効果的ですが、それ以外では優先度が下がります
- ブログ・お知らせ — 続けられる見込みがあるときだけ作ってください。最終更新が1年前のお知らせは、閉店したのかと思わせます
- よくある質問 — 実際に何度も聞かれた質問がたまってから作ると、中身のあるページになります
- 予約フォーム — 電話予約で回っているなら、無理に作る必要はありません
大切なのは、最初から完成させようとしないことです。公開してからお客様の反応を見て、必要になったものを足していくほうが、結果として無駄が出ません。公開後にやるべきことはホームページを公開した後にやることにまとめています。
なお、ページを足したり内容を直したりする作業をどう回すかは、月々の運用費の中身にも関わります。ホームページの月額運用費は何に使われているのかも合わせてご覧ください。Clematisでは制作を初期費用10万円〜、公開後の運用・保守を月額1万円〜でご案内しており、内訳は料金ページに記載しています。
まとめ:ページ数ではなく、優先順位で考える
個人商店のホームページに必要なのは、立派な構成ではなく、お客様が知りたいことに最短でたどり着ける構成です。
優先順位をつけるなら、次の順番になります。
- 店舗情報(住所・電話番号・営業時間・定休日・アクセス)が正確で、すぐ見つかる
- お店の様子が伝わる写真がある
- 何をいくらで提供しているかが分かる
- スマートフォンで問題なく使える
ここまでが満たされていないうちに、ページを増やしても効果は出にくいままです。逆にこの4つがそろっていれば、ページ数が少なくても、お店のサイトとしては十分に役目を果たします。
そして、公開した後に情報を最新に保てるかどうかが、いちばん効いてきます。作ることより、続けられる形にすること。ページ構成を考えるときは、この視点を持っておいてください。
